多摩地域について
多摩地域は、東京都のうち23区と島しょ部(伊豆諸島・小笠原諸島)を除いた30市町村(26市3町1村)からなります。
多摩地域とは一般的に、東京都の西側に位置するエリアのことを指します。基本的に23区を「都内」と呼ぶのに対し、「東京都下」「東京郊外」「三多摩」と呼ばれることもあります。
東京都の公式ページによると、東京都の人口は約1,395万人、そのうち約3割にあたる約420万人が多摩地域に暮らしています。
東京都の面積は2,188 km²なのに対し、多摩地域の面積は約1,160 km²。都内と比べると人口は少ないものの、面積に関しては東京都のほぼ半分を占めています。
人口 | 約420万人 |
世帯数 | 約182万5千人 |
面積 | 約1,160 km² |
多摩の由来
「多摩」の由来は諸説ありますが、多摩川の上流部に山梨県の丹波(たば)川があることから、「タバ」から「多摩」の名に派生したとする説が有力です。
多摩地域の歴史
多摩地域は、平安時代から幕末まで1,000年以上にわたって「武蔵国多摩郡」でしたが、明治維新にあわせて「品川県」「韮山(にらやま)県」「入間(いるま)県」「西端(にしばた)県」に分割されます。
1871年(明治4年)に実施された廃藩置県の後、1878(明治11)年11月に施行された「郡区町村編成法」という地方制度を定めた法律により、武蔵国多摩郡は四分割されます。
現在の東京都の前身に当たる「東京府」に属する地域が「東多摩郡」、神奈川県に属する地域が「西多摩郡」「南多摩郡」「北多摩郡」(いわゆる三多摩)となりました。
1896年には、東多摩郡が南豊島郡と合併し豊多摩郡に。豊多摩郡は1932年、東京市に編入されて消滅し、現在の中野区、杉並区、渋谷区、新宿区となりました。
北多摩郡は1970年に村山町が武蔵村山市に、南多摩郡は1971年に稲城町が稲城市に、多摩町が多摩市に市制施行したのに伴い、2つの郡は消滅しましたが、西多摩郡は現在も存在します。
三多摩が神奈川県に属してから約20年。1893(明治26)年4月1日に「東京府」に移管され、ほぼ現在の「多摩地域」と同じ形ができあがりました。
多摩地域の区分
多摩地域と言っても、23区に近い東側エリアと山梨県に近い西側エリアとでは、地形や交通機関、街の様子・人口規模・商業施設など、地域によって特性は違います。
このため、多摩地域においては、近隣エリアとともに協議や活動などを連携して取り組んでいくことが多いため、行政上の便宜上5つのエリアに分けられています。
5つのエリアは、三多摩エリアや都の地方事務所が置かれていた地域をベースにしています。
北多摩北部エリア(5市)
小平市・東村山市・清瀬市・東久留米市・西東京市の5市からなる北多摩北部エリア。西武池袋線、西武新宿線が通っており、隣接する埼玉県や新宿・池袋へのアクセスが良いエリアです。
スタジオジブリのアニメ映画「となりのトトロ」の舞台である東村山市の都立公園「八国山緑地」やトトロの森と呼ばれている狭山丘陵、玉川上水や野火止用水など、雑木林のなか清流を眺めながら、とっておきの散策が楽しめます。
北多摩南部エリア(6市)
武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・小金井市・狛江市の6市からなる北多摩南部エリア。JRや京王電鉄などが通っており、23区へのアクセスがよく、23区からの通勤・通学で利用する人が多摩地域内で最も多いエリアです。
首都圏の「住みたい街(駅)ランキング」では、武蔵野市の吉祥寺が上位に入ることが多く、商店街は多くの地元の人たちに愛されています。
武蔵野市と三鷹市にまたがる都立公園「井の頭恩賜公園」や三鷹市にある「三鷹の森ジブリ美術館」、小金井市にある「江戸東京たてもの園」など、多くの人々が訪れる観光スポットが存在しています。
北多摩西部エリア(6市)
立川市・昭島市・国分寺市・国立市・東大和市・武蔵村山市の6市からなる北多摩西部エリア。JR立川駅は多摩地域の中で乗降客数が最も多く、JR中央線・青梅線・多摩モノレールが乗り入れるなど、交通の要となっています。
立川駅前には、ルミネや三越伊勢丹など大型商業施設が多く集まり、ショッピングや飲食を楽しむ人で溢れかえっています。
立川市・昭島市にまたがる国営昭和記念公園のほか、新東京百景の一つである東大和市の多摩湖、武蔵村山市の都立野山北・六道山公園など、広大な公園やウォーキングなどに最適な観光スポットがあります。
南多摩エリア(5市)
八王子市・町田市・日野市・多摩市・稲城市の5市からなる南多摩エリア。八王子市や町田市を中心に駅前に商業施設が多く広がり、大学は多摩地域の中で最も多いエリアです。
八王子市にある高尾山は、新宿駅から京王線の急行電車で約1時間の場所とアクセスがよく、登山のみならずパワースポットとしても有名です。
西多摩エリア(4市3町1村)
青梅市・あきる野市・福生市・羽村市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村からなる4市3町1村の西多摩エリア。面積の約79%が広大な森林が占めています。
多摩川や秋川などの清流、奥多摩や秋川渓谷など、豊富な観光資源に恵まれており、登山やドライブ、バーベキューやキャンプなどを目的に、多くの観光客が来訪しています。